病院で見た光景が教えてくれたこと
息子は当時、心を病んでいて精神科に通院していましたが、ある日、緊急手術を受けて入院することになりました。入院中、息子が受給していた傷病手当の申請書類を受け取るため、私が代わりに通院先の病院を訪れました。
その時に目にした光景は、今も忘れられません。
広い待合室にはパイプ椅子がぎっしり並び、老若男女、多くの患者さんがひっきりなしに出入りしていました。診察室の上に番号が表示され、呼ばれた患者さんが次々に診察室へ入っていきます。診察を終えた人はすぐに会計のため椅子で待機し、自動精算機でお会計を済ませて帰っていきました。
その流れは、まるで「コンビニ診療」のように感じられました。
精神科の診療報酬は診察時間によって30分以上・30分未満で保険点数が変わりますが、この病院では短時間で診察が終わる患者さんが多く、「患者さん一人ひとりとじっくり向き合う」というより、機械的に診療が進んでいく印象を受けました。
さらに驚いたのは、担当医が毎回変わる可能性があることでした。
「誰に診てもらえるかはその日次第」という状況では、患者さんは毎回初対面の医師に一から状況を説明しなくてはならず、継続した治療や信頼関係の構築が難しくなります。
心の問題は、時間をかけて医師との信頼を築きながら治療を進めることが大切です。担当医が固定されない怖さを、息子の経験を通して痛感しました。
病院選びは本当に大切です。
「まず診てもらえる場所」という視点ももちろん必要ですが、
✅医師がしっかりと向き合ってくれるか
✅同じ担当医に継続して診てもらえるか
✅長期的にサポートを受けられる体制か
といったポイントも大切にしてほしいと思います。
悩んでいる時は周りが見えなくなってしまいます。誰でもいい、相談出来たらと思うのです。